久しぶりのナルコスの新シーズンということで、一気見するのが勿体なかったので大体一日一話ずつぐらいのペースでゆっくりと見ていましたがついに見終わったのでその感想です。雑感ですが多少のネタバレもあるかと思いますので未視聴の方はご注意ください。
全体的な大まかな感想
シーズン3は今までのシーズンに比べるとやや地味な印象ながらも、ナルコスらしい面白さはしっかり健在だったなあというのが見終わったばかりの感想です。
シーズン1の後半のドラマティックさと盛り上がり、シーズン2の目まぐるしい展開とハラハラドキドキの連続に比べると、物語の進み具合は全体的にゆっくり気味に感じましたが、その分それぞれ並行していくお話が丁寧に作られている印象でした。
シーズン3はDEA、カルテル。新聞記者、警察官と複数のお話と要素が、大きな展開は少ないやや地味な感じながらもどれも丁寧に徐々に積み上げていくような感じで並行に進んでいきますが、シーズン3の佳境。いよいよそれぞれのお話がどんな結末を迎えるのか判明しそうな、特に後半の第9話辺りは手に汗握りかなり没頭して見ていました。
各視点、各要素の進展具合がどれもややゆっくり気味に感じたので、それだけに序盤は少し盛り上がりに欠けるかなと感じましたが、お話が進むにつれどれもどんどん面白くなり目が離せなくなっていく脚本の妙は相変わらず健在でした。
時折それぞれのお話が交差するところもまた面白く感じた所でした。
いつも通りと言えば、シリーズ通しての個人的な大きな楽しみの一つでもあるナレーションの皮肉交じりの即妙な名調子が、今回はいつものキレがあまりなく少し物足りなく感じましたが、ナレーションもしている新聞記者のお話の最後付近でデカいネタを暴く展開はとても面白かったです。新聞をはじめとしたメインストリームメディアがすっかり信用を無くしてしまった現代からしたら中々想像しがたいですが、常に危険と隣り合わせの文字通り命をかけても真実を暴こうという気骨のあるジャーナリズムがある所にはあったんだなあという驚きもありました。それにしても90年代で40人以上の死者という数も凄まじいものがあります。
それと並行して進む警察官のお話も一体誰が犯人なのかなんとなく推測がつきそうでつかない、徐々にではあるけれど着実に真相に向かって進展していく展開は手に汗握る面白さでした。
その過程でカルテルにもダメージが入るというのが面白さがありましたが、こっちのお話も記者のお話と同様の結末の報われなさというのが妙に現実的でリアルというか、物語的な完勝も快勝も無い結末がナルコスらしさを感じました。そしてそれがまたこのドラマの魅力のひとつであるような気もしますが、メキシコ編ではないナルコスの様な割とはっきりとした決着がつく、白黒つくものもたまには見たい気もします。
DEAのウォルトの結末もまたそこまではっきりとした決着がつくものでは無いものではないにせよ、序盤から提示されていた懊悩の経緯を含めてラストのオチは秀逸だなと感じました。
今回のシーズン3のウォルトは、シーズン2の時のようなメインの主人公格から一歩引いた感じで、あくまで並行的に進む複数のお話の中のひとつという扱いになっている構造はよりそれぞれの話を追っていく面白さが感じられたように思えました。
今回の予告で使われていた曲はSoundgardenの『Black Hole Sun』という曲で前回のホワイトライン程のまさにドラマの内容とのドンピシャ感は無いものの、雰囲気にマッチしている格好いい曲で良い選曲だなと思いました。かなり攻めた内容のPVも一見の価値ありです。
この曲が出たのが1994年でグランジの影響が強かったドラマ内と大体同じ年代ということからの選曲なんでしょうか。
それにしても今聴いてもまったく色あせていないというか、ふいにラジオなんかでかかったらつい手を止めてしっかり耳を傾けてしまうように感じます。
これまでナルコスらしさを残しつつも新しい面白さをシーズン3に至っても提供してくるという驚きがありました。
映像の迫力や作中の雰囲気、先の展開の読めなさなどどのポイントに置いても相変わらず抜きに出ている程の高いクオリティで、ベーターコールと並ぶ、本当にこの為にネトフリ入っていると言っても過言ではないドラマシリーズであり、今回のシーズンも面白かったのは間違いないのですが、個人的にはもう一声。出来ればもっと展開をスピーディーにして、せめてもう一展開時代を進めた所まで見たかったなあと切に思いました。
ラスト付近は若干バタバタと物事が進んだ感があったので、それならばチャポの台頭の部分くらいはというかせめて脱獄は見たかったのですが、これは多分先にエルチャポを見ておりその先を知っているというせいもあってそう感じるだけなのかもしれません。
ミゲルの時代の始まりから終わりをシーズン1から2まで使って描いたことを考えると、シーズン3は次の時代であるアマドの結末で終わりとするのは区切りが良いと言えば良いとも言えますので。
とはいえあまりあれこれ詰め込み過ぎてメインが何なんなのか分からないようなぼやけた印象になったり、途中の話が駆け足気味になって味気なくなったりするかもしれないので、どこの時代までをどのように区切るか。どのトピックスにどれくらいの尺を割くのかあるいはばっさりとカットするのかの按配は非常に難しい所だと思います。それでもナルコスの製作者達なら確実に物凄く良いものを作ってくれるのは間違いないので、今回で最終シーズンとは言わず次のシーズンを作ってくれることを期待してやみません。
ということでこの先どうなったか確認したくなったので、半分内容を忘れかけているエルチャポをもう一度見たくなったのとシーズン3の途中で出て来たコロンビアの情勢と時代的な繋がりの確認の兼ね合いからメキシコ編ではない普通のナルコスを見返したくなりました。
DEAのウォルトの結末もまたそこまではっきりとした決着がつくものでは無いものではないにせよ、序盤から提示されていた懊悩の経緯を含めてラストのオチは秀逸だなと感じました。
今回のシーズン3のウォルトは、シーズン2の時のようなメインの主人公格から一歩引いた感じで、あくまで並行的に進む複数のお話の中のひとつという扱いになっている構造はよりそれぞれの話を追っていく面白さが感じられたように思えました。
今回の予告で使われていた曲はSoundgardenの『Black Hole Sun』という曲で前回のホワイトライン程のまさにドラマの内容とのドンピシャ感は無いものの、雰囲気にマッチしている格好いい曲で良い選曲だなと思いました。かなり攻めた内容のPVも一見の価値ありです。
この曲が出たのが1994年でグランジの影響が強かったドラマ内と大体同じ年代ということからの選曲なんでしょうか。
それにしても今聴いてもまったく色あせていないというか、ふいにラジオなんかでかかったらつい手を止めてしっかり耳を傾けてしまうように感じます。
総評としては
これまでナルコスらしさを残しつつも新しい面白さをシーズン3に至っても提供してくるという驚きがありました。
映像の迫力や作中の雰囲気、先の展開の読めなさなどどのポイントに置いても相変わらず抜きに出ている程の高いクオリティで、ベーターコールと並ぶ、本当にこの為にネトフリ入っていると言っても過言ではないドラマシリーズであり、今回のシーズンも面白かったのは間違いないのですが、個人的にはもう一声。出来ればもっと展開をスピーディーにして、せめてもう一展開時代を進めた所まで見たかったなあと切に思いました。
ラスト付近は若干バタバタと物事が進んだ感があったので、それならばチャポの台頭の部分くらいはというかせめて脱獄は見たかったのですが、これは多分先にエルチャポを見ておりその先を知っているというせいもあってそう感じるだけなのかもしれません。
ミゲルの時代の始まりから終わりをシーズン1から2まで使って描いたことを考えると、シーズン3は次の時代であるアマドの結末で終わりとするのは区切りが良いと言えば良いとも言えますので。
とはいえあまりあれこれ詰め込み過ぎてメインが何なんなのか分からないようなぼやけた印象になったり、途中の話が駆け足気味になって味気なくなったりするかもしれないので、どこの時代までをどのように区切るか。どのトピックスにどれくらいの尺を割くのかあるいはばっさりとカットするのかの按配は非常に難しい所だと思います。それでもナルコスの製作者達なら確実に物凄く良いものを作ってくれるのは間違いないので、今回で最終シーズンとは言わず次のシーズンを作ってくれることを期待してやみません。
ということでこの先どうなったか確認したくなったので、半分内容を忘れかけているエルチャポをもう一度見たくなったのとシーズン3の途中で出て来たコロンビアの情勢と時代的な繋がりの確認の兼ね合いからメキシコ編ではない普通のナルコスを見返したくなりました。