メガドライブミニ2全収録タイトルが発表がされたので簡単な感想を書きました

2022/08/22

コンソールゲーム

先日最後の残りの収録タイトルが発表され、Youtubeなどでもそれぞれの熱い思いを語っているチャンネルが多々あり、なんだか一種の祭りのような感じで盛り上がってて面白かったので、便乗しました。


この令和の時代にあっても何か変なことを、意表を突いた面白いことをしてくれそう、という期待感があるゲーム会社といえばやはりセガではないかなと改めて思ったところで、今回の発表で個人的に気になったタイトルについてあれこれ書いてみたくなりました。


ナイトトラップのコメディ感は必見です。

ジェネシスミニ2は売り切れで買えませんでした


最後の放送はリアルタイムでは見られなかったので、翌日にアーカイブで見ましたが不意打ち的にジェネシスミニ2の国内販売が告知され、急いで専売であるAmazonを見に行きましたが、すでに売れ切れており買えませんでした。

とはいえ放送で紹介されていたセガに関するクイズが収録されたセガQがやってみたくなったので、今回は国内版のメガドライブミニ2を予約しました。

それにしても実にいろいろなバラエティに富んだタイトルで目移りするというか、歴史のIFまでもあり少しでも楽しませよう、このタイミングでしか入らないものを入れて驚かせようという心意気が随所に感じられ、本当にこのメガドライブミニに関わっている人達の熱意と思い入れ、愛を感じました。

また公式の紹介映像を見ているとどれもしっかりとジャケット(パッケージ)絵が作られていて、しかも当時こんな感じで発売されていても全然おかしくないクオリティに製作者のこだわりを感じました。

気になったタイトル


すべてについて書くとかなり長くなりそうなので、個人的に特に気になったタイトルに絞ると、歴史的な意味が大きいのではと思う『ナイトトラップ』と『でびとぴー』でした。

でびとぴー


当時の新人社員の研修習作として作った普通は表には出ないもの、というなんともレア感をくすぐられるタイトルですが、それだけでなく僅か数か月の研修期間で作ったのにグラフィックもちゃんとしていてしっかり遊べるという出来もさることながら、現在ソニック最新作の制作に携わっているクリエイターの歴史を知る足跡として、これは是非遊んでみたいと感じました。
販売物っぽくソフトのジャケットもちゃんと作れているのもまた面白かったです。

ナイトトラップ


なぜこの作品? と思われそうなので簡単に理由を説明しますと、以前ネットフリックスの『ハイスコア ゲーム黄金時代』というゲーム史を辿ったドキュメンタリーものが非常に面白くて勢いで感想をこのブログで二回に渡って書いたのですが、そのドキュメンタリーで当時アメリカで上院議員が動きだす程に物議をかもした作品として取り上げられていたからです。

そんなわけでもし今後誰かがかなり細かいしっかりとしたゲーム史を作るとなったら、ゲーム業界においての表現の問題で世を大きく騒がせたという観点からまず外すことはできないソフトだと勝手に考えており、そんな歴史を背負うソフトに一度触れてみたいと思っていました。

小難しいことはさておき、鉄板ネタの落とし穴だったり階段がいきなり滑り台みたいになって、そこにいた敵キャラが全員綺麗に滑り落ちるという、今まで何度もこすられ続けているくらいにベタだけど毎回絶対笑ってしまう映像があったから、というのも大きい理由かもしれません。
ナイトトラップの制作者の一人が後に有名な人気海外ドラマ『24』の映像に関わったという話を知ったこともまた、興味を引かれる理由でした。


なんとか自主規制の道を勝ち取ったゲーム業界

以前読んだ『セガvs.任天堂/Console Wars』の下巻に、当時のゲーム業界がこのナイトトラップとモータルコンバットが過激表現の筆頭としてやり玉にあげられるという危機的な状況を迎えていた際、業界の関係者たちの努力によってゲームの表現規制に政府が介入するという最悪な事態を回避し、なんとか業界内で自主的に規制する道を獲得した、というくだりが詳細に記されていました。

ナイトトラップのゲーム画面を見れば、または『ハイスコア ゲーム黄金時代』での製作者の解説を聞けば更によく分かりますが、そこまで過激でもなく露骨という訳でもなく、性表現や残虐表現は主題でもなく、あくまで一部の要素かつ購買を喚起させる為の外連味の範囲での表現にとどまっており、コメディ色も強いこの作品を有害作品と捉えるのは少し過剰反応なのでは、と思いますが当時まだ歴史が浅く青少年に対する影響力も得体も知れない新しいエンタメが殊更に警戒されていたのは多少は仕方がない気もします。

しかしながら規制の理由として、ゲームという他のエンタメに比べ能動性が高い性質が、内容と方向性によってはより暴力の助長や肯定。他の様々な良識・モラル、倫理観に対する感受性を低下させる危険性をはらんでいるという当時からの指摘はやけに鋭く、この部分をつかれるとより表現能力が高まった現代においては尚更弱いというのもありますが仮にこの問題を回避したとしても、ソーシャルゲームにおける様々なトラブルや、未成年者の大量課金などの新たに生まれてきた様々な問題も何かインパクトのある象徴的な事件が起こるか、あるいは世間で大きく取り上げられる気運が高まってしまったら政府主導で一気に厳しい規制方向に傾く可能性は高く、危険な爆弾を抱えている現代においてもまだまだ安泰、盤石のエンタメとはいえないのかもしれないと改めて考えさせられました。


大容量CDロム機ならではのゲーム

このナイトトラップはメガCDで発売されましたが、そのゲーム性と映像表現にも歴史的な流れを知る大きな足跡ではと感じました。

プレイヤーは客観的な立場で監視カメラを切り替え、要所要所で物語に介入するというこれまでにない発想で作られた画期的なゲームシステムを支えているのは数多くの実写ムービーで、これが実現できたのはまさに大容量CDロムだったからこそだと思われます。

現代の高画質かつ大きな画面でムービーもボイスも使い放題のリッチな表現に慣れた感覚からするといまいちピンとこないかもしれませんが、まだまだROMカセットが主流だった当時ではかなり驚かれたとの話でした。

それまでのROMカセット時代では常に容量との闘いがあり、その限られた環境とリソースをアイデアの力で活かしたからこそ生まれた名作も数多くありますが、大容量CDロムならではの豊かな映像表現の新たな一歩を踏み出したという意味で、ゲーム史におけるひとつの足跡としていいのではないかと思います。

これはあくまで個人的な見解ですが、このメガCDを含め当時のCDロム機はまだまだ価格もこなれておらず一般への訴求力はそこまでではなく、普及台数の点から言っても主流ではなく高価な周辺機器にとどまっているイメージで、表現の幅としてはできることも増え順当に進化したとはいえ新たな時代が開かれたとまでは言えない状況だったように思われます。

ではメーカーとユーザー双方に明確に新たな時代、CDロム機の次世代機と認識が合致したのは何かというと次に出たサターンでありプレステではないかなと捉えていますが、その理由としては3Dに特化した新たな映像表現を各メーカーが明確に打ち出したことと、それを大いに歓迎したユーザーにより普及台数的にも主流となったからという理由からです。

そんな次世代機とROMカセット時代とを繋ぐちょうど変わり目の一旦屈んだ時期、良く言えばより大きな飛躍の為の礎となったのがメガCD等のCDロム機なんじゃないかなと思いました。
何はともあれ今後この流れが止まることなくサターンミニ、ドリキャスミニと続いていったら最高ですが、なんだかんだとセガならやってくれるのではという期待感があります。


自己紹介

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個人サークル「elh(エル)」及び所属制作サークル「future extra」にてオリジナルの電子書籍作品、ヴィジュアルノベル、RPGなどを作っています。 無料作品もありますのでお気軽にどうぞ。各作品の詳細及びダウンロードはelhのサイト及び各サイト様へのリンクにてご案内しております。 ハンドル名の由来は映画『2001年宇宙の旅』のHALプログラムを簡略化したものです。

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