ステージ4(現代ステージ)
ここからのステージはお話にするとかなり複雑なものになりそうなので、ここでは大まかな骨子の解説だけになります。現代ステージはこのゲームのメイン部分で長丁場を想定している為、三つのストーリーを考えました。今回は前半と中盤のストーリーを解説します。
ストーリー1(前半):『環境問題』
・お話の大体の流れ
グローバルリーダーを自称する組織が我々の住む地球の環境が危機的な状況に陥っており、すぐに対策を取らなければ今後居住不可能となるといった危機感を煽り、なおかつ国際協調という同調圧力により世界各国に新たな制度及び環境税の導入が推し進められていた。
・プレイヤーの勝利後(ステージクリア後)
グローバルリーダーを自称する全体主義者が主張している物質が地球環境に悪影響を与えているという言説の裏付けと因果関係をはっきり証明できなかったことに端を発し各国の政府。企業。メディアを使って強引かつ急速に推し進められ、なおかつ負担はすべて大衆に押し付けられたことから大衆が反発。
また特定の企業や団体。組織に利益を誘導する構造であることが判明すると同時に、その問題の根拠となるデーターを提示した学者。研究者がデーターを捏造していたことが暴露されると、すぐにこの問題に関する法と制度はすべて廃止され関与した者たちは法による厳しい裁きを受けることとなった。その後環境問題は人々の記憶から急速に忘れ去られていった。
<この話のねらい>
ここのステージは非常に単純で前回のステージ3を更に進化させた形になっています。
皆やっているから、という同調圧力。権威や肩書だけを見てその言説を鵜呑みにする。正しいこと、良いことをやっているのは全員善人で良心からやっているという思い込み。これらの前回からまた一段上がった功名な手口で大衆のコントロールに使ってきます。なのでこのステージの難易度はやや高めに設定するのが自然なように感じました。
<この話の発想のきっかけ>
そもそも論として、地球規模の環境問題を及ぼすものがあるという陰謀めいたものが本当にあるのだろうかという疑問があるんですが、仮にそんな問題があったと仮定した場合。
その問題に対して一番効果的。効率的な方法の選択。そして何より効果が出るまで長い期間根気強く行っていかなければならない訳ですから、この問題に実際に対処・協力する大衆の理解の得られる公平で健全な方法をとるのが当たり前の筈なのに、実際はまったくそうはなっていないように見えました。
その理由は簡単で、その言説によると一番環境問題に影響を及ぼしている所が意図的に言及されていない。排出権といった利権構造になっている。ルールに従わない国や企業などにペナルティを課し足を引っ張ることが出来ることなど、この問題を利用することによってごく一部の人間がこれに関わるあらゆる市場を恣意的にコントロールすることが可能になる危険性があるといった点などです。
ましてや地球規模の大きい問題で、なおかつ各国が協調して取り組む、人・金・時間の大きなリソースが動くものであるのなら、蓋然性やそれ相応の厳しい検証の積み重ねや確実なデーター収集がもとに検討することが必然で、都合や政治背景。時代トレンドによってコロコロ変わる言説や不確かで曖昧なデーターを根拠に安易に制度や法ばかりを先行して作るのは順番がまったくの逆で、相当に慎重になるべきことではないかと思います。
こういったことから現在の動きはどれも本当に環境問題を解決したいと考えて行動しているようにはまるで見えません。環境問題を利権構造にして延々と金を儲けたい、という風には十分見えますが。
本当に環境問題を解決したい。この問題を口実に金儲けをしたい。傍から見ればどちらも一見同じには見えますが最終目的がまるで違うので、それまでの道筋。物事の優先順位のつけかたや方々での発言。とるべき行動が自ずと違ってくるというだけなのかもしれません。
ストーリー2(中盤):『マネーの死と銀行制度の崩壊』
・お話の骨子
この時代の構造としてはお金による強力な支配があって、中央銀行がその頂点に位置しており大衆・企業・政府すべてはそのコントロール下にあった。
金融のコントロールによっていくらでも大衆の実質資産と労働力をスポイルすることが可能で、世界中のありとあらゆる資産を奪い続け富の偏りとその貧富の格差は凄まじいものとなっていた。
・プレイヤーの勝利後(ステージクリア後)
既存の銀行・経済システムは破棄され現在流通しているすべての紙幣は紙切れとなり、大衆の抱えるすべての借金やローンは帳消しとなる。
その後、不正が出来ない現実に即した健全な価値基準と正しい評価に基づいた新たな経済システムにとって代わる。
<この話のねらいと発想のきっかけ>
現代といったらやはりこれかなといったところで、いつだったか大分前にカナダの少女が銀行のからくりについてもの凄く分かり易く説明してくれていた動画があって、その内容に驚愕したのと同時に、一見まともで考えつくされた高度な学問のように見える経済システムは実はかなり怪しいもので、こんなことがまかり通っている世の中は改めてかなり無茶苦茶だよなあと思いました。
探してみたら動画がありました。
「腐敗した銀行制度」
*補足-------------
凄く簡単に説明すると、銀行はローンを借りに来た人にお金を貸す時に、コンピューターにそのローンの金額を打ち込むだけで実際には存在しないお金をローンとして貸し出すだけでなく、その利息や手数料。返済されなかった場合の罰金や資産の差し押さえなどで簡単に利益を得られる無からお金を生み出すシステムです。更にこれに通貨の発行権。金融商品。金利のコントロールが組み合わさると非常に凶悪なものとなるのが分かるかと思います。
詳しくは「部分準備銀行制度」「フラクショナル・リザーブ・バンキング」あたりのキーワードで調べてみてください。
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世界中の実質資産の数は決まっているし、新たに生み出す数も人々の労働力にも限界があるのにこんな無茶なことをしていたら扱う規模が肥大化した時に崩壊するのは当たり前というか、そもそも最初からいつか確実に破綻する欠陥システムということを知っていながら導入されたものだったということだけなのかもしれません。
例えるなら地盤の緩いぐにゃぐにゃの湿地に立てた建造物のようなもので、そんな不安定な状態なのにどんどん建て増しして大きくなると、ある地点で耐え切れなくなった建物が倒れすべてが駄目になってしまうイメージです。
かなりの直球でこの話をしているのがフォード・モーターズの創業者の言葉ですが、“国民が銀行制度や貨幣制度を理解していないことはよいことだ。もし国民がそれらを理解していたら明日夜が明ける前に革命が起きるだろう。”というものがあります。
多くの人がこの言葉を知った時の脱力感は凄まじそうと言いますか、ありとあらゆるところでお金を稼ぐ大変さはこれまで方々でさんざん聞かされ続けてきたとは思いますが、一方で指先を少しばかり動かすだけで無からお金を一瞬で生み出せるのだから現在の無茶苦茶な貧富の差が生まれるのは必然としか言いようがないですね。
世界中の富のほとんどを限られたごく僅かな者だけが占有できるシステムはどう考えても欠陥があるとしか思えないというか、結局この詐欺的な経済システムという同じ土俵の上ではどんなに工夫を凝らしても、ルールを作った側には絶対に勝てない仕組みなので、その仕組みを肯定する。つまり現在の経済システム上で儲けばかりやお金だけを追い求めすぎる価値観をもっていると上記の延々とスポイルされ続ける構造にうまくはまってしまうのではと思いました。
次回は?
次回は引き続き現代ステージの最後のストーリー3と、最終ステージであるステージ5(未来)のストーリーの候補を考える回となる予定です。