【制作企画2021】上ものを入れて完成までもっていこう

2021/01/30

制作連載企画2021(音楽)

今回は前回作ったリズム隊に上ものを足して、最後に曲全体や部分部分にエフェクトをかけたりして完成までもっていこうの回です。

まず上ものの楽器決め


最初にまずどの楽器にするか決めようということで、未来的な感じのする音を入れるとしたらシンセ音を使うのが無難かなと思いましたが、シンセにあまりこだわりがなくシンセ音を作り込んだ経験もないので非常に安直な感じになりそうな気がしました。

ならばそれっぽい音か気に入った音色を何かしらのシンセのプリセットから引っ張ってきても良さそうかなとも思いましたが、ここはギター(エレキ)の音を入れてみることにしました。

ギターにした理由は単純で、リズム隊の電子音系のデジタル的な音と、アナログ的な音の組み合わせは面白いのではないかというのが第一で、後は単純に好きな楽器で他の楽器より慣れ親しんでいるからという理由です。

若干話が逸れますが、バンドでも各人の担当楽器の人が作曲したらどういった共通性や傾向がみられるのかという統計があったら是非一度見てみたいので、誰かまとめてくれないかなと常々思っています。

とはいえ自分の担当楽器がフィーチャーされた曲が多いとかになったり、意外な感じになっていたりもしそうな予想がつきますが、結局人によるという現実的な結論になりそうな気がします。

フレーズ決めと少しばかりの未来的な要素を入れてみる


BGMということで基本となる元のフレーズをちょっと変えて、似たフレーズを何回か繰り返すパターンにしようと決めていましたが、ここで当初より考えていた未来的な要素。作中にも多く出てくるAIの要素を入れてみることにしました。

ということで実に単純な発想ですが、ここはAIの自動作曲を使ってみることにしました。
一口に自動作曲と言っても種類も解釈も様々だとは思いますが、プログラムが作り出したフレーズという意味です。
では早速、ギターのフレーズの原型となる基礎の部分をAIに担当してもらうことにします。

自動作曲はどのソフトに?

自動作曲はフリーソフトでもウェブブラウザから作ることが出来るものもありますが、以前(理由は忘れましたが)衝動買いしたSinger Song Writer Liteにもあったことを思い出しましたので、今回はそれを使うことにします。


ということでSinger Song Writerを立ち上げ新しい曲のテンプレートを作成。そして画面最下段にある「メロディ生成」を開きます。


するとこの小さな画面が開きますので、気に入ったメロディが出てくるまでメロディの生成と視聴を繰り返します。
気に入ったものが出たら「入力」で譜面に反映させてMIDIファイル形式で保存し、メインのDAWとなるFL Studioで読み込みギターの音を選ぶなりソフトを選ぶなり、譜面を元にタブ譜に置き換え弾いて録音してみたりします。

これを元にアレンジ

しかしながらこの単音だけが続くメロディだけだといささかシンプル過ぎるので、これを元に自分なりにアレンジと装飾を行います。
ギターを弾くのがめんど……セッティング等に手間がかかったりお手軽さを求める時はソフトウェア音源に頼りたくなるので、ELECTRI6ITYを使います。


これはかなり良い音の出るソフトではあるんですがかなり上手く調整しないと音量のバランスが悪くなってしまうのが難しいところです。

こうして出来たものを基本のモチーフとして、更に似たパターンを2~3こ作ることにしました。
音色はなるべく連載一回目に決めたイメージに合うものします。
そして何回か聞いて別フレーズの高い音のピアノ音も欲しくなったので追加でいれました。

イントロとアウトロをつけて音にエフェクト(効果)をかけてみよう


付ける色味としてエフェクトはどんな感じにしようかということで考えていたのがイントロとアウトロにローファイ要素を入れてみる、でした。
これは未来的な要素(技術の進化による高音質化)とは逆な、相反する要素を部分的にとり入れたらより面白くなるのではないかという発想からです。

これは単純に未来の高度な再生機器でローファイな音程が不安定に揺れまくったり、古いラジオの小さいスピーカーのみたいな質感の曲が流れたら面白いのでは、という考えからです。

また話が逸れますが未来を荒廃したディストピアになると捉えているイメージの、fallout的な未来の高度な機器(ピップボーイ)でインクスポッツやボブクロスビーなどのかなり古い曲が流れているのもまた面白いなあと思います。

ということでiZOTOPEのVinylを入れてみる


このプラグインはかなり有名どころで、公式曰く窮極のローファイマシンというだけあって音の劣化具合を年台で指定できてレコードノイズも出せるし、しかも極め付けはフリーというかなりのすぐれものです。

iZOTOPE Vinyl

このエフェクトをドラムとギターだけのごく短いイントロと最後にかけました。
これは次の曲に繋がるようなイメージで入れています。

プラスアルファとして何か声ネタを入れたい


ここにきて更にリズム楽器(パーカッション)的な使い方で何か声ネタを入れたくなったので探してみることにしました。

未来的な感じのする声ネタと言ったら機械音声とボーカロイドではということでFLにあるSpeechの中からと、UTAUの声素材をお借りしました。
こちらはあくまでほんのちょこっとだけ、入ってるかどうかわからないぐらいの味付けレベルで入れることにしました。

一度ベースを再考してみる


ベースがずっと同じなので部分的に5度くらいはいれようと思いましたが、上物にコード進行感が無いしルート音が一番安定していてリズムと噛みあっている気がしたのでそのままにしました。
リズム隊が延々とかつ淡々とシンプルな繰り返しの中で上もののフレーズだけが移り変わっていく形にしました。

各楽器の音を調整して完成


ここは非常に奥深く相応の知識が必要なのであまり時間をかけずに出来る範囲で、最初に決めたリズム主体にしたいという設定に沿うようにしました。

DTMの教本をいくつか読みましたが、クリップしないように(最大音量が越えないように)する。イコライザーで各楽器の周波数帯の住み分けをする(特に低音で注意が必要とのこと)。コンプレッサーで各楽器の音量バランスをとる(音圧とダイナミックレンジを意識し考えること)ということがどれも共通して書かれていました。

とはいえ上記の様な基本的な処置はあれども最終的に求めるもの。出したい・表現したいものや状況によっては絶対ではないので過信と鵜呑みはよくないということも書いてあったので、本当にミキシングというのは奥深いなと思いました。

なんとか曲が出来ました



3分を少し超えてしまいましたが、なんだか自分が好きでいつも聴いている曲の種類の影響がそこかしこに出ている気がします。
どうにもギターの音の強弱の平均化と抑揚・メリハリとのバランスが難しくかなり苦戦しました。
個人的に気に入っているのは、ずっと鳴っている808ハイハット音程が一部だけ地味に変わっているところです。

構成も楽器数も非常にシンプルですが、とりあえずある程度のアイデアは使ったし自分の中でもうここまでいいかなと感じたのでこれで完成としました。
日を置けばまだまだ煮詰めることも出来るかもしれませんが、それはまた別の機会でやろうと思っています。

ともあれこれで一旦完成としたところでふと、更にお話の序盤と終わりの部分の曲と。更に後もう一曲くらい作ったらミニアルバムが出来るのでは? と思いつきました。

この曲を作っている最中にもう一曲原型が出来たので、他の曲にも今回使わなかったアイデアを入れ込みつつ、ついでにこの作業中に作ったイメージ絵も出せたらなと考えています。




自己紹介

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個人サークル「elh(エル)」及び所属制作サークル「future extra」にてオリジナルの電子書籍作品、ヴィジュアルノベル、RPGなどを作っています。 無料作品もありますのでお気軽にどうぞ。各作品の詳細及びダウンロードはelhのサイト及び各サイト様へのリンクにてご案内しております。 ハンドル名の由来は映画『2001年宇宙の旅』のHALプログラムを簡略化したものです。

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