【ベストキッドがドラマで復活】腹を抱える程笑えてそれ以上の熱い展開と感動がある、あらゆる面白さが詰まったドラマ『Cobra Kai』(コブラ会)が凄く面白かったのでおすすめです

2020/09/16

ドラマ・映画感想

一見気軽に見られる単なるコメディっぽいノリなのに、時折不意打ちの様に訪れる名シーンが名作ドラマ以上に心を打つ、なんてことがごく稀にあるかと思いますが本作はまさにそれで、こんなにも見終わってしまうのが惜しくなるドラマはひさびさということで、めちゃ面白かったドラマ『コブラ会』の記事です。大きなネタバレはほぼ無しで書いています。

『Cobra Kai』(コブラ会)




概要


コブラ会は1984年に公開された人気映画『ベスト・キッド』(原題:The Karate Kid)の34年後を描いたドラマです。

主演の二人ダニエル・ラルーソ役のラルフ・マッチオとジョニー役のウィリアム・ザブカは映画と同じ俳優が演じています。

ちなみに映画は見ていなくても個人的にはめちゃくちゃ楽しめましたが、もちろん見た方が小ネタ含めて絶対にもっと面白くなるのは間違いないと思います(特に1は)

自分の場合はベストキッド1~3まで(4は有料でした)アマゾンプライム会員対象にあったのでドラマの途中で見ましたが最近ネトフリにも1と2がきてました。
なのでこの機会に未視聴の方は是非ドラマの視聴前に見ることをおすすめします。

しかも驚くことにwikiによるとこのドラマは以前、Youtube Premiumと呼ばれる視聴サービスで配信されていたドラマだったとのことです。
なので各話課金制ですが、Youtubeでも見られます。



第一話は無料で見られました。

負けた敵役の話でもある?


映画ベストキッド1のラストシーン。
空手大会の決勝戦で敵役(悪役)のジョニーが主人公のダニエルに飛び蹴りで倒されるシーンから物語が始まる訳ですが、もちろん敵役(ジョニー)にも主人公(ダニエル)に敗れたその後に続く人生があるはずなんですが、この映画に限らずほとんどの場合はまず語られることはありません。

その理由はほとんど特筆すべきものがないからなのか、単にお話において噛ませ犬的な存在で主要なキャラクタではなかったからなのか。

もし仮にあったとしても数行で全てを語り尽してしまうぐらいのものになりそうな、そんなキャラクタかと思われた映画版の敵役、ジョニーが主人公のひとりです。

まるでその大会の結果がその後の人生の行方を明示するかのようにジョニーは給料の安い仕事に身をやつし、酒ばかりを飲んでいる荒れた様子で、一方のダニエルはビジネスでも成功し、実に高そうなスーツに身を包み高級自動車販売店を経営しています。

しかしかつてダニエルは学生時代にジョニーを含むコブラ会の門下生にいじめられたこともあるという過去の因縁があって二人は犬猿の仲でもあるのですが、かたや幼少期は裕福で今は貧乏なジョニー。
幼少期は貧しかったけど、成功者となり裕福になったダニエルとはまさに対照的で、どちらも本当の父親がいません。
その為か二人は同じ空手の師匠という形である種の父親というものを得ます。

そしてシーズン1の第9話の「違うようでも似た者同士」のエピソードでも分かるように、実は性格も趣味の感性も近しい似たもの同士だったということが分かります。

そんなことからもしこの二人が違う出会い方をしていたら大親友になっていたのではないかと、勝手に推測しますがこのドラマでは映画ではほとんど語られることのなかったジョニーの過去、生い立ちやパーソナリティがどのように形成されていったかまでを様々な回想エピソードで深掘りされ、単なるダニエルの噛ませ犬的な浅い悪役ではなかったことが分かります。

次世代へと受け継がれるコブラ会とミヤギ道


しかしさすがに34年という長い時の流れとともに次世代が活躍する場となり、二人は指導者の立場となっています。

でもジョニーはシーズン1の最終話、大会で自分の一番弟子が対戦相手の怪我をした箇所を狙う、というかつて自分も行った汚い手で優勝したことに、コブラ会の三つの教えの最後「情け無用」が間違いだったのではないか、と疑念が生じこのままではいけないとコブラ会を変えようと決意します。

そしてダニエルもミヤギから受け継いだメソッドは失われず生きているものの、映画でもそうでしたが短気な性格はそのままで、まだまだ精神的な成熟としては師匠であるミヤギの域には達していないようです。

けれどそんな未熟な二人でも、空手だけでなく人生、生き方を教える指導者・先生という教える立場になり次世代の生徒を通して自分もまた精神的に徐々に成長してゆく様子を描いている感動的な側面もあるドラマでした。

登場人物誰しもが今はまだまだ完璧ではないけれどあちこちに方々に頭をぶつけながらも、より良い方向へ行こうと必死に頑張る姿はこれがコメディドラマなんてことを忘れ、普通のドラマ以上に余計に胸を打つものがありました。

最初トレイラーをざっと見た時はとにかく気楽に気軽に。頭を空っぽにして能天気に笑いながら見られるコメディタッチのドラマだと思って見ていた筈が、いつの間にか真剣に彼らの行く末を見守るように見ていました。

笑えるシーンも多数


と感動的な要素もありますが、それに負けないくらい面白いシーンも沢山あります。
特に笑ったシーンはご機嫌な気分で車を運転していたダニエルが信号待ちで止まった時にふいに横を向いたらコブラ会の道場を見つけ「えっ、なんで? なんでこれがあんの?」みたいな顔で、まるで懇願にも近いような、ほどよく過去のトラウマを刺激されつつ心は必死に否定するけれど、目に映る現実が裏切り続けるシーンの後に、タイトルがバーンと出てくるんですが、ここが一番笑いました。

次はやはりダニエルが大会で肩を怪我したロビーに手で治療すると思いきや(ダニエルの師匠ミヤギなら手だけで怪我を治療することができました)医療班を呼ぶシーンと、弟子のミゲルがハロウィンでガイコツのコスプレで登場したシーンです。スタイルがばっちりというかめちゃくちゃ似合っていて笑いました。

IT音痴のジョニーが初めてネットサーフィンで喜ぶ(特に濡れシャツコンテストのページで)シーンもなかなかでした。

とにかくそんな風に気兼ねなく大笑い出来るドラマが近年少なくなっているなあと個人的に思うのですが、そんな中でかなり貴重なドラマなのではないかと思います。

シーズン3は2021年で沖縄が舞台とのこと


トレイラーによるとシーズン3はなんと沖縄が舞台との話ですがそう、沖縄と言えば『ベストキッド2』でダニエルとミヤギが訪れた、ミヤギの故郷ということでこれは期待に胸が高鳴ります。

しかもシーズン2の最後がものすごく気になる終わり方だったので余計に待ち遠しいことこの上ないので、とりあえずおさらい的に二周目に突入しています。

こうなるとミスターミヤギもこのドラマで出てこないかなあと思うのですが、ミヤギ役のノリユキ・パット・モリタさんは2005年にすでに亡くなっており、コブラ会に出演することは出来ないというのが残念です。ご冥福をお祈りいたします。

余談ですがノリユキ・パット・モリタさんがイチロー選手と一緒にCMで出ていた動画がYoutubeにありかなり驚きました。

ということで終始気楽に見られて笑える気軽で単純なコメディかと思いきや、ふいに飛び出る感動的シーンの破壊力は普通のドラマ以上のものがあったりと、修行で鍛えた末に嫌な奴をやっつける爽快感とか、とにかく色々な面で面白かったのでこれを機に過去の人気映画をドラマ化っていうパターンが増えたらいいなと思いました。

自己紹介

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個人サークル「elh(エル)」及び所属制作サークル「future extra」にてオリジナルの電子書籍作品、ヴィジュアルノベル、RPGなどを作っています。 無料作品もありますのでお気軽にどうぞ。各作品の詳細及びダウンロードはelhのサイト及び各サイト様へのリンクにてご案内しております。 ハンドル名の由来は映画『2001年宇宙の旅』のHALプログラムを簡略化したものです。

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