かなり面白かったドラマ『コブラ会』の流れでベスト・キッド(karate kid)の1~4をネトフリとアマプラで見たので、その簡単な感想を書きつつ次なるコブラ会のシーズン3を予想したり勝手に希望を書いてみたりした記事です。ややネタバレありで、今回はベストキッド1と2です。
ベスト・キッド1 (karate kid)の感想
個人的に一番心に残った名シーン
見ている時は流れでごく普通に見ていたシーンであっても、見終わってちょっと時間が経った後で思い返すと、まだちゃんと心に残っていて凄く良いシーンだったな、と思い出すことが出来るシーンが多々有りました。
特に一番の名シーンだと思ったのが、ダニエルが恋人だと思っていたアリをライバルとも言えるジョニーに取られ傷心を抱えながら師ミヤギの家を訪ねところ、そんなものとは比較にならない程のミヤギの重い過去の話を知り。そのすぐ後の夕焼けを背景にダニエルが船の上で稽古に打ち込むシーンがありますが、そこが映像の美しさもあって一番心に残りました。
海が夕焼けできらきらと光っている中、影絵の様なシルエットで一人かつてない程に真剣に、熱心に型の練習している訳ですが、音楽だけの会話が無いシーンなのでその時のダニエルが一体どういう心情なのかは視聴者は推察することしかできませんが、何かしらそのエピソードに感化されるものがあったのでは、と想像させる凄く良いシーンでした。
他にも師ミヤギとダニエルとの何気ない心の交流のシーンの数々やミヤギの含蓄のある言葉などもまた地味ながらも良いシーンばかりだと思います。
ラストシーンと終わり方
一回目に見た時は最後のミヤギの笑顔のアップの後、エンドロールと割とあっさり終わったなという印象だったのですが、二回目に見返した時に、いやむしろこれがベストだなと思えるのは不思議な感覚でした。
普通ならば主人公であるダニエルのアップで終わるところをミヤギの顔にすることで、この映画主人公ダニエルだけでなく、またミヤギの物語でもありその教えがこのような最高の結末を勝ち取ったという印象になり、更にその後の話をすっぱり切ることで、余計にその結果を強調したものになった様に感じられました。
師ミヤギが本当に満足そうな良い顔なんですよね。
色々書きましたが実にすっきりと終わり方でなんというか文句のつけようがないくらい、何度も見返したくなる映画でした。
コブラ会から見ても十分楽しめる内容
自分の場合コブラ会を見てからこちらの映画を見るという、おそらく普通とは逆の見方をしましたが、ドラマの合間合間に回想シーン的に映画の映像が入っており、しかも登場人物に会話などからもおおよその内容がつかめる親切な作りになっており、まったく問題なく楽しめました。
映画を見ているとコブラ会のあの会話はこういう意味かとか、あれはこういうことだったのか、という楽しみがあったのは良かったのではないかと思いますが、映画の小ネタを含めて映画から見た方が純粋に楽しめるのではないかと思います。
ファミコン版も出ていた?
youtubeの関連動画で知りましたが、日本未発売のファミコン版があるとは驚きでした。
プレイ動画を見た感じごく普通のアクションゲームでしたが、途中に差し挟みこまれる箸でハエをつかまえたり、氷の板を割ったりするミニゲームがあったのが面白かったです。
どこかのゲームメーカーが格闘ゲームでも道場経営シュミュレーションでもいいのでSteamあたりで何か新しいものを出してくれないかなと思うばかりです。
ベスト・キッド2 (karate kid 2)の感想
コブラ会でも重要なシーンが多くあり
コブラ会でも確か何度出て来たシーンですが、冒頭のジョニーの先生であるクリースが準優勝のトロフィーをへし折って、ジョニーの首を絞めるシーンを始め、キャラクタの関係性(因縁)を含め他にも小ネタあわせてコブラ会がよりいっそう面白く見られるシーンが多数ありました。
途中、ミヤギから教わった釘を一息で打つところや、気を静める呼吸。他にもダニエルが縦に並べた氷の板を手刀で割るシーンがありますが、これもコブラ会にも出てくるし(残念ながらジョニーらに邪魔されて見られませんでしたが)同じくコブラ会でロビーが道場で箱の中からでんでん太鼓を見つけるシーンがありますが、シーズン3は沖縄が舞台ということで、この辺(映画版の2)の回想的なエピソードがもしかしたら盛り込まれるのでは、と期待しつつ予想していますがどうなんでしょう。
特にもっと師ミヤギのエピソードをもっと掘り下げたり盛り込んで欲しい人は自分だけでなくて結構いるんじゃないでしょうか。
シーズン2ラストの雰囲気からアリも出てきそうな気配がするのですが、こっちも是非見たいですね。
エンディング曲の良さ
ただちょっと残念だったのがラスト付近がやや駆け足気味で、ミヤギとサトウの因縁が解消する展開などがちょっと性急に感じたのですが(おそらく比重がその後のシーンに傾いた為かと思いますが)その後の最後の試合ではない命を賭けた真剣勝負のシーンと、エンディング曲の良さですべて帳消しとなり、結果やはり1同様に心に残る映画になりました。
やはり1同様ミヤギの顔のアップで終わるのは様式美で良かったです。
ベスト・キッド2のエンディング曲『Glory of Love』
余談ですが、コブラ会シーズン2の第8話のタイトルが日本だと『恋のときめき』となっており、確かに見てみると恋愛シーンが多くあってそれでこういうタイトルをつけたのかなぐらいにしか思わずあまりピンとこなかったのですが、原題ではこの曲名と同じ『glory of love』であったことをwikipediaで知り、ものすごく納得しました。
この曲のサビの一節に
"I am a man who will fight for your honor"
という歌詞がありますが、このhonorという言葉に聞き覚えがあり、ふと思い返してみると、ドラマのコブラ会でジョニーがこれまでの間違いに気が付き、そして弟子の人生、生き方を導く責任を負ったことから、情け無用の教えを変えようとミゲルに対して重要なことだと言っていた言葉でもあったこと気が付きました。
確かシーズン2の第1話で「情けと高潔さの違いを知らず、代償を払った」という台詞で、honorは高潔さと訳されていました。
そして同じくシーズン2の第7話でかつての先生であるクリースに「情け無用でも敬意は持たせる」とも重ねて言い放ちます。
このしきりにジョニーが言っていたhonorの意味としては敬意とか名誉で、さすがに製作者の意図までは分かりませんが、このhonorというものがコブラ会三つ目の教えの「情け無用」を正しい方向へと導く為のキーワードではないかと、つまりこれはこの曲の歌詞とリンクしているのでは、と勝手に予想しましたが、どうなんでしょうか。
しかしその教えのせいでミゲルが生死を彷徨う大けがを負ってしまうのはなんて皮肉なことだと思いますが、それはその考えがちゃんとミゲルに届いていた証拠でもあると言えるので、乗っ取られてしまったコブラ会を取り戻し、新たな正しい新生コブラ会を作るのはジョニーがキーパーソンであることは間違いなさそうです。
しかしダニエルとの試合に負け、その後転落というか冴えない人生となってしまったジョニーが気づきを得て、かつて悪者の存在だったコブラ会を次世代と共に新たに正しい道に向かおうとするのは物凄く痛快というか、なんと熱い展開なんだと思わざるを得ません。
最後の余談 80年台の映画
なんていうか80年台くらいの映画(あるいは音楽しかり)はどれもなんか輝いて見えるというか、今見ると映像としては多少古く感じるかもしれませんが、誰にでも分かり易い作りというだけでなく、見終わった後のすっきりした感じがはっきりと感じられて、実に後味が良く「あー面白かった」で後腐れなくちゃんと終わるものが多い気が個人的にはします。
【ベストキッドがドラマで復活】腹を抱える程笑えてそれ以上の熱い展開と感動がある、あらゆる面白さが詰まったドラマ『Cobra Kai』(コブラ会)が凄く面白かったのでおすすめです