ということでさっそくやっていこうと思いますが、アイデア選別をする上で個人的に気にしているポイントを確認しながら進めていきたいと思います。
まずは方向性に沿った大まかな作品テーマを確認
前回の連載で「何らかの未来的な要素(環境・技術など)を含んだものにしたい」という大体の方向性を決めた上でそれに沿ったアイデアを出していった訳ですが、かなりアイデアがあっちこっちにとっ散らかったものになっていたので、とりあえずとしてものすごく簡単に大分類的にまとめてみますと
時代設定 : 現代より先。大体数十年後くらい?
ベースの土台 : 未来の技術関係
どの技術(またはシステム)あるいはどんな問題にフォーカスするか : AIやVRなど。今後あれば随時追加
お話の方向性 : 未来は希望に満ちた明るいものか、あるいは暗いもの(ディストピア)か
ジャンル : 現段階では未定
前回のずらずらと並んだアイデアの羅列を見ていると、大体こんな感じの背景がおぼろげに見えてきました。
特にお話の方向性については、良い悪いのどっちに転ぶかで作品の毛色、持って行き方がかなり違ってくるので早めに決めておきたいところではありますが、とりあえず今後アイデアの種を発展をさせていく上での幅を狭めたくないので一旦保留にしておきたいと思います。
ジャンルも同じ理由で現段階では未定としておきます。
ベースの土台に関しては、やはりAI(人工知能)とVR(仮想現実)のネタが多かったので、それをメインに柱になるか。どれくらいまで突っ込んだ内容にするかは置いておいて、とりあえずのお話のベース(の一部)としておこうかと考えています。
二度同じギャグはやりたくない
映画オーシャンズ13で視聴中印象に残った登場人物の台詞に「二回同じギャグはやりたくない」と確かこんなニュアンスのものがありました。
簡単に説明すると、前前作の『オーシャンズ11』でカジノの地下金庫の金を強奪する際に、カジノを停電させる機械を使った訳ですが『オーシャンズ13』でもまた同じ手を使おうか仲間内で議論になったところエンジニアのキャラ(バシャー)が言った台詞だったと記憶してます。
あ、これって話のネタなんかを作る制作者にとっても同じだな、と見ていた思ったせいか印象に残ったのかもしれません。
なるべく、出来ればまったく同じネタを二回続けるのは避けたいというのは、言葉にすると至極当たり前にも思えますが、作り手受け手のそのどちらにも新鮮に感じられるものにするには、出来ればまた新しいものを考え出すのが良さそうですね。
ということで、以前AIとVRをテーマにした短編を二作つくりましたが、同じAIやVRのネタは使えど作品としてはまったく別なものに変えていきたい。
キャラや舞台に設定はもちろん、それこそ根幹のテーマもまったく別なものにしていきたいと考えています。
まったくの余談ですが「天丼」という漫才用語(?)もありますが、短い合間に二回立て続けにやってウケを取るという手法はウケ狙いの場合は割と手堅い手法で、分かっていてもつい笑ってしまいますね。
漫才やコントなどにおいて、同じことを2度またはそれ以上繰り返すことで滑稽な効果をもたらすことを芸人の符牒で「天丼」と呼ぶ。これは「同じネタを並べる」という意味の掛詞で、天丼(特に蕎麦屋の天丼)には必ず海老が2本載っているのがお約束である(あった)ことが語源とされる。
時事ネタは風化する?
「時事ネタは風化する」というのは、制作界隈に古くからある言い伝えなのでご存じの方も多いかと思いますが、まさに世間で話題になっている時こそもの凄い瞬発力はあれども失速するのもまた早く、旬が過ぎたネタは普通のネタ以上に陳腐化して飽きられやすいものになる、という意味だと個人的には認識しています。
しかしながら制作界隈には長年の、それこそ何人もの試行錯誤を経て得た経験や手法などの有用な知恵(ナレッジ)が蓄積していると思うんですが、誰でもアクセス出来るような形でデータベース的なものにまとめてみたらまさに温故知新の宝物庫となるような気がします。
少し話が逸れましたが、とりあえず特に人工知能はまだまだなんだかんだと取り上げられる機会も多いし、多数の企業も投資しているし、YouTubeなんかでも頻繁に目にするし、世間の関心も高そうなので(数年後どうなっているかの保障はありませんが)悪くないネタかなと思います。
VRもまだまだ大きな可能性を秘めた、新しくも面白い分野かつ自分自身の興味も強いのでこれもまた悪くないネタです。
次回予告 まだまだアイデアにキャラ立ちが必要かも?
今回でぼんやりとしてとっ散らかっていた自分の書きたいもののアウトラインが少し明るみになってきたかと思いますが、まだちょっと不鮮明というか、アイデア自体がまだ大まかでふわっとした特徴のないもののような気がするので、よりキャラが立った(個性的な)ものにするための味付けが必要かもしれません。
ということで次回は、更にアイデアを具体的な形まで煮詰めていき、できればシナリオのプロットの部品くらいにまで土台固めをしていこうの回となります。