まずは残りアイデアの確認から
前回まだ吟味していない残る案は
・仮想空間で観光旅行
・バーチャル博物館
・バーチャル墓参り
の三つとなりました。
前回の試しにほんのさわりのあらすじを作って雑多なアイデアを吟味した結果、以前までのものも決して悪くはないとは感じましたが、アイデアを練っていた当初からこの辺が本命な気がしていました。
というのも自分的に関連のアイデアがどんどん出てくるのが、詰まることのなくシナリオが書ける可能性が経験上高いからです。
三つ目の墓参りは2018年に書いた『椛死』で若干似た様なことをしていましたが、残る二つは今まで書いたことがないので、目新しさを感じますのでこの点に関しては多少のモチベーションになりそうです。
とはいえまだちょっとこの段階で決定とまではしたくないので、とりあえず前回同様に物語のさわりを作ってみてから判断します。
選別の為に試しに簡単な物語のさわりを作成
その1:観光旅行のアイデア元に作成した暫定あらすじ
バーチャルツーリスト(旅行会社)でとったチケットを片手に主人公が仮想空間上の駅に訪れる。
そこはありとあらゆる、それこそ現実ではなかなか行けない場所。現実には存在しない場所さえでも行ける出発地点のターミナル(ハブ)駅だった。
その行き先のひとつは常にメンテナンス中で閉鎖されていた。
好奇心を刺激された主人公は係員の目を盗み、その閉鎖された場所に足を踏み入れるが……
その2:博物館のアイデアを元に作成した暫定あらすじ
その仮想空間上にある博物館では、バーチャル(仮想)である強みを生かし、すでに存在しない失われてしまった歴史的にとても貴重な展示物でさえも展示されていた。
そしてその時代の世界の一部分を実際に体験できるものもあった。
もしくはバーチャル空間がいかにして発展してきたか、歴史的に貴重なアイテムや大きな機転となった出来事を取り上げ、懐古しながらその未来の歴史をAIのアシスタントと共に辿る。
その3:墓参りのアイデアを元にした暫定あらすじ
とある仮想空間では、バーチャル霊園(仮名称)と呼ばれる場所があった。
そこでは生前の人物の人格を記録したデータにより、仮想的に交流できる場となっていた。
実際の人物だけでなく、空想上の人物。制作キャラクタとも交流が可能であった。
主人公はその霊園で働く従業員、もしくは管理人。あるいは客として訪れる。
出来たものを吟味
それでは次に最後の選別ですがこの中から一つに絞るか、三つ全部入れてオムニバス形式にするのも悪くなさそうです。
その場合全体としてのテーマがあった方が良さそうな感じです。
テキスト分量的にひとつひとつのお話の印象は薄くなるかもしれませんが、全体としてのまとまりとテーマ性は強めることができそうです。
と、それはとりあえず今は置いておいて所見を作ってみます。
その1の所見
実にスタンダードな感じで悪くはないと思いますが、なんというか割とベタというかそこまで目新しい感じがしませんでした。
とはいえ、仮想空間上である特徴を生かす設定、話のもっていき方や更にもうひと捻りを加えるか、膨らませ方やその方向性では十分目新しさは出せるかと思います。
仮想空間でのサバイバル的なリソース管理や確保要素を足したり、箱庭的なシミュレーション的要素、または脱出までの様々な障害や期限をもうけることにより更に面白くなりそうなアイデアが思い浮かびました。
その2の所見
これは設定をみるに他の二つのアイデアに比べてそこまで突飛ではなく、割と今の状況から想像しやすい未来の技術であり、今後のVR(仮想現実)の新たな可能性を模索できるかもしれない良いアイデアだと感じました。
ただし読み手に物語としての面白味を感じさせられるようにするには、他の二つのアイデアより更なるひと工夫が必要かもしれません。
その3の所見
個人的には今回に限って言えばなるべくニッチ寄りではなく、普遍的なものを作りたいというのもあるので、その基準でもアイデアを出しましたが、だからこそ捻りが重要で生きるかと思いました。
間口の広い普遍的な設定でとっつきやすくして、内容でエッジを効かせるという風にしたかった、という考えです。
こういうものはパッとすぐには思いつきませんが、スタンダードなところではちょっと奇妙な、面白味のある(興味深い)事情を持った人がそこに訪れてお話が始まる、または主人公の設定を捻ってみるパターンが思い浮かびました。
いよいよ最終候補は……
この期に及んでまだ迷っていますが、所見からアイデアの膨らませやすさ、方向性。ベースの設定となる仮想空間、AIなどの要素を活かせそうなもの。という点で総合的に判断したところ、メインを一つ目の観光旅行。サブとして二つ目の博物館に決めました。
とはいえ今まで出したアイデアをリサイクル、あるいは復活させる可能性も残しつつ、暫定的にこの二つで制作を進めていきたいと思います。
次回予告
次回はこのふたつのお話を更に膨らませ、関連アイデアをどんどん出して補強しつつ物語の骨格、出来ればプロットまで作っていこうの回にしようと考えています。
気が付けばもう四月も半ばということでここまで大分ゆっくりやってしまったので、少しばかりギアを上げてポンポンと進めていこうと思います。