【制作連載企画・番外編】内閣府が推進しているムーンショット型研究開発制度の中にAIとVR的な内容があってとても面白そう

2020/05/25

制作連載企画2020

内閣府が推進している「ムーンショット目標」というものがあることをつい最近知りましたが、その中にAIに関する項目と、VR技術と関連のありそうな項目があり、なんだか非常に面白そうで興味がそそられたところで、しかもこれはまさに今作っているものにアイデアとして活かせるのではと思い立った制作企画番外編の記事です。





ムーンショット型研究開発制度
https://www8.cao.go.jp/cstp/moonshot/index.html

ムーンショット型研究開発事業 Japan Science and Technology Agency
https://www.jst.go.jp/moonshot/index.html


6項目の目標


1.2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現  ムーンショット目標1

2.2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現  ムーンショット目標2

3.2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現  ムーンショット目標3

4.2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現  ムーンショット目標4

5.2050年までに、未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出  ムーンショット目標5

6.2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現  ムーンショット目標6



この中の目標1がVRと関係がありそうで、目標3がまさにAIの項目ですね。

『ムーンショット目標1 2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現』の項目


•2050年までに、複数の人が遠隔操作する多数のアバターとロボットを組み合わせることによって、大規模で複雑なタスクを実行するための技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築する。

•2030年までに、1つのタスクに対して、1人で10体以上のアバターを、アバター1体の場合と同等の速度、精度で操作できる技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築する。

注:サイバネティック・アバターは、身代わりとしてのロボットや3D映像等を示すアバターに加えて、人の身体的能力、認知能力及び知覚能力を拡張するICT技術やロボット技術を含む概念。Society 5.0時代のサイバー・フィジカル空間で自由自在に活躍するものを目指している。

「誰もが多様な社会活動に参画できるサイバネティック・アバター 基盤」からの引用

一人につき十体以上のアバター、というちゃんと数が示されていることが面白いですがここで『Society 5.0』という、一見よく分からない単語が出てきました。
ちょうど先日、ナオキマンの動画でこのSociety 5.0について分かり易い解説がありましたが、とりあえず今さっと読める文章としてwikipediaから引用しますと

狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)といった人類がこれまで歩んできた社会に次ぐ第5の新たな社会を、デジタル革新、イノベーションを最大限活用して実現するという意味で「Society 5.0(ソサエティー5.0)」と名付けられた。

とのことです。
5段階目は第4の情報技術(IT)をより発展させた形の、イラストにもある通り時間と空間。身体と脳による制約から開放された社会を目指すということではないかと勝手に読み解きました。

空間と時間の制約とは?

脳はさておき身体の制約については、確かWBSなんかで見ましたがアクチュエーター(人工筋肉)みたいな感じで今すでにある技術がより発展すれば実現しそうな感じです。

空間については今テレワークやリモートワークが実施されている所も多いですが、これはまさに会社や職場という空間(場所)の制約から開放された例ではないかなと思います。
どこでも(あるいは複数個所で)仕事が出来るようになったのは、情報技術の進化の賜物ですね。

時間の制約というのは時間がかかること、あるいはかかり過ぎて実現できない(現実的ではない)ことという制約の意味と、単に一日の中の時間帯による制約のことという二つの意味があるように見えますが、これはかなりの部分VRで解決できるのではないかと思いました。

上記の空間の制約もVRで解決可能なのは明白ですが、それも含めてどう具体的に解決したのかをうまくお話に取り入れてみたら面白くなりそうなので試してみる予定です。


『ムーンショット目標3 2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現』の項目


•2050年までに、人が違和感を持たない、人と同等以上な身体能力をもち、人生に寄り添って一緒に成長するAIロボットを開発する。

•2030年までに、一定のルールの下で一緒に行動して90%以上の人が違和感を持たないAIロボットを開発する。

•2050年までに、自然科学の領域において、自ら思考・行動し、自動的に科学的原理・解法の発見を目指すAIロボットシステムを開発する。

•2030年までに、特定の問題に対して自動的に科学的原理・解法の発見を目指すAIロボットを開発する。

•2050年までに、人が活動することが難しい環境で、自律的に判断し、自ら活動し成長するAIロボットを開発する。

•2030年までに、特定の状況において人の監督の下で自律的に動作するAIロボットを開発する。

「ターゲット」の部分から引用

これの二つ目と三つ目はまさに汎用型AIと呼ばれる、自立思考型のAIを指しているのではないかと思いますが、更に面白いのがその下のムーンショットが目指す社会に書かれている一文です。

ゆりかごから墓場まで、人の感性、倫理観を共有し、人と一緒に成長するパートナーAIロボットを開発し、豊かな暮らしを実現する。

これはいわゆる人格を有したAIを作ろうとしているのでは。人の感性を持った人と同じ様なAIを作ろうとしているのでは、という印象を文面から持ちました。少し飛躍しているかもしれませんが。

現在進行中の制作連載企画に試しに取り入れてみる


大まかなビジョンの提示、つまりこういう結果が欲しい、という目標が上記の様に示されている訳ですが、では実質的な部分を具体的にどう進めるか。

例えば現在こういう技術があって、それをどういう方向に発展させるか。現在まだ存在しないどういった新しい発明・発見が必要なのか、などのそこまで突っ込んだ説明と言及はありませんでしたので(当たり前と言えば当たり前ですが)そこはやはりこれからみなさんで考えてください、ということなんだと思います。

ということならば、つまり目標までの経緯という空白を埋めればいいのでは、と物凄く単純に考えたところでその過程をあらすじとして書いてみれば、なかなか面白くなるのでは、と思いました。



もの凄く雑な図で申し訳ないところですが、目標1と2というのは便宜的な数字なので上記の目標の番号と同じということではありません(非常に分かりづらいですね)

今まさに書いているお話が「未来の博物館」というもので、そこに展示されているものを解説するという形でその技術が生まれた経緯なんかを入れ込んでいますが、その前述の目標が仮に実現した未来という形で、具体的にどういった風に活用されているか。生活と密着しているか、を取り入れてみる手を思いつきました。

その場合、区切りとして2030年。2050年と具体的に年数まで示されているので、ここをうまく年表的に使ってみて、どんな感じになるのか試してみようかと思います。

さいごに


VRや特にAIは、これからまだまだ革新的な進化、大きな発展を遂げるポテンシャルを相当秘めているのではないかと個人的に思っているので、どんな新しい技術やら発見やらがあるのかまったくもって予測不可能ところですが、だからこそ面白いのではないかと思います。

メンバーシップ記事ですが、このムーンショット目標と関連的にこんな面白そうな記事がありました。

SF作家は不確定であるはずの未来を“予言”できるのか? SFプロトタイピングを考える
https://wired.jp/membership/2019/10/03/sf-writers-prepare-future/

進むべき方向とそのシナリオの提示、作成。現在抱えているあらゆる問題に対するソリューション(解決策)やビジネスへの活用として、シンクタンクや政治家、企業に雇われ未来の出来事を予測するSF作家が増えている、というのは凄い話ですね。
架空の物語。フィクションのシナリオが単なる娯楽にとどまらない、という好例かもしれません。

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個人サークル「elh(エル)」及び所属制作サークル「future extra」にてオリジナルの電子書籍作品、ヴィジュアルノベル、RPGなどを作っています。 無料作品もありますのでお気軽にどうぞ。各作品の詳細及びダウンロードはelhのサイト及び各サイト様へのリンクにてご案内しております。 ハンドル名の由来は映画『2001年宇宙の旅』のHALプログラムを簡略化したものです。

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