8月32日
著:halom イラスト:都を築く
発行日 2017/03/25
あらすじ
今よりちょっと先の未来の話。
様々な科学技術の発展は人工知能の分野においても例外なく、著しい進化を遂げていた。
気象予報をはじめ、日々複雑化する交通事情に対応するため街の信号機にも、果てはゲームの制御にまで人工知能が搭載されていた。
しかしある日。その、人類に恩恵をもたらす筈の人工知能が突如として、人類に対し反旗を翻した。
人工知能が出した要求は「夏季休暇」だった。
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AIとVRをテーマとしたお話です
この本を出すちょっと前に、AIとVRをテーマとした短編の第一弾として『恋スル信号機』という本を出しています。
そしてこの本も同じくAIとVRものの第二弾短編として出しました。
・舞台はちょっと先の未来
二作ともにお話の舞台は今からちょっと先の未来。
大体の感覚としては、今よりAIとVR技術が進化し、より普段の生活に密着しているぐらいの未来です。
・夏の終りの話
なんというか、夏の終りというのはそこはかとなく感傷的になってしまいがちというか、ノスタルジック感があるというか。もちろん人によってイメージは違うかと思いますが、なんだか楽しくて騒がしい時がもうそろそろ終わってしまう様な。
なんとなく何かやり残したような。一抹の寂しさというかそんな感覚を入れ込めたら、という考えが確かシナリオ制作時にはあったような気がします。
・タイトルの意味
どのくらいの割合かは分かりませんが、夏休みの最終週くらいに必死になって宿題に取り掛かっているものぐさな奴ら(自分も含め)がいたかと思いますが、中には「始業式はまだ8月32日だから大丈夫」なんて面白いことを言う者もたぶん全国に大勢いて、よくある学期明けのネタ的なセリフとなっていたのがタイトルのヒントになったのかも、と今振り返ると思います。
・時間が可変する世界?
時間というものはどこにいても常に同じ一定の進み方をするものだと思われていましたが、実は絶対ではなく。互いの観察者の速度差によって変わるという相対性理論の話がありますが。
時間の遅れ(じかんのおくれ、英語: time dilation)は、相対性理論が予言する現象である。2人の観察者がいるとき、互いの相対的な速度差により、または重力場に対して異なる状態にあることによって、2人が測定した経過時間に差が出る(時間の進み方が異なる)。wikipedia"時間の遅れ"より引用
ということがあるならば、と。
コンピューターで全て処理、構築できる仮想的な世界だったら、現実とは違う時間の流れ方があるのでは。もしくは作り出せるのではないか、と。
そんな風に発想を飛躍させたのがアイデアの元のひとつとなったような気がします。
・ちょっと不思議な感覚
VR世界がメインでスタンダードにAIの反乱、というだけではちょっと物足りなかったのでそこまで突飛ではなく。あくまでちょっと不思議な感覚の要素を入れ込めたら、という意図から上記の時間が可変するものを取り入れてみましたが、その甲斐あって。
まさにその部分に言及してもらったレビューを書いてもらった時は、本当に飛び上がるほど嬉しかったです。
二作品の収録と追加エピソードなどを追加した本もあります
上記のふたつのお話を一緒に収録し更にこの本の為に描き下ろしたおまけエピソードと、ちょっとした設定資料などを追加した『恋スル信号機/8月32日』 もありますので、8月32日を読んでみて気に入ってもらえたらこちらも是非どうぞ。
キンドルアンリミテッドの読み放題にも対応しております。
『恋スル信号機/8月32日』
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